七ヶ浜海苔

七ヶ浜は北と東は松島湾、南は太平洋と三方を海に囲まれ海岸線から少し入ると丘陵地帯、そこから見える近くの島々は見応えのある風景です。七ヶ浜町松ヶ浜漁港から船でおよそ10分。港から2キロほどいったところに海苔の漁場があります。そこで採取された海苔のことを「七ヶ浜海苔」と呼称します。

七ヶ浜海苔の主な特徴としては「かすかな甘さと風味が格別」なので、県内外からも取引は後を絶ちません。海苔の養殖に携わって2008年でようやく27年目。昨シーズンからは息子が一緒に船にのるようになりました。今の七ヶ浜の海を肌で知ってほしい。自然がどれほど大事なのかを分かってもらうためにも私達は美味しい海苔を皆様にお届けできるよう努力しております。

試験項目 試験結果 検出限界 試験方法
たんぱく質 33.0G/100G 0.1G/100G ケルダール法
〔ビタミンA〕
レチノール 0UG/100G 1UG/100G 高速液体クロマトグラフ法
A-カロテン 5340UG/100G 5UG/100G 高速液体クロマトグラフ法
B-カロテン 39900UG/100G 5UG/100G 高速液体クロマトグラフ法
クリプトキサンチン 1530UG/100G 10UG/100G 高速液体クロマトグラフ法
レチノール当量 3610UG/100G - -
ビタミンC 84MG/100G 1MG/100G 高速液体クロマトグラフ法
ビタミンE 5.9MG/100G

0.1MG/100G 高速液体クロマトグラフ法
※通常の海苔よりも非常にA・Bカロテン(総称カロテン)が含有されている結果となりました。
カロテンは抗酸化作用が大きく、がんや心臓病の予防、コレステロール値の低減などへの効果が注目されております。

海苔の養殖はタネ(殻胞子)をつけた「タネ網」を9月下旬から10月上旬まで松島湾に張り出して育て、その後漁場に移します。海水温が低くなるにつれ海苔はどんどん成長し、10月末あたりから収穫になります。七ヶ浜のあちこちに黒いリボンのような海苔の養殖場が広がっいるのも七ヶ浜ならではの風景です。

海苔が伸びてくると同時に網に余計な珪藻類がついたり、病気にかかりやすくなったりします。海苔の品質の低下するのを防ぐため、網を洗う作業を行います。通常、海苔は酸に強く珪藻類は酸に弱いという性質を利用してりんご酸などの有機弱酸を利用して行う、これを酸処理といいます。不純物は取り除かれるのできれいな海苔はできるのです。

しかし、ふるさとの海に対してこれでは優しくはない。

そこで当店では、車の洗浄機のブラシのようなものを使い、汚れをとる。これをブラッシングと呼んでいます。ブラシの刺激によって海苔の芽も強く元気になります。これに加え、EMも利用します。これで酸処理だと落ちてしまう風味や香りを落とさない。海苔に対しても、ふるさとの海に対してもできる限り優しくありたい。自然を大事にしたい。

より多くのタネ(殻胞子)を付着させるから、生産量が増える。すると海苔が病気にかかりやすくなったり、品質が落ちたりするので酸処理をする。しかし、収穫量がなければ、生活がなりたたない。そして、市場で評価されるのは、ツヤのある黒々とした海苔。しかし見栄えのよいものがおいしいとは限らないし、環境の良い状態で育ったものとも限らないのも現状です。

平成19年2月、松島湾でとれた風味豊かな海の味。オレと親父が根性で作った、「天日干し乾燥のり」をご賞味ください。

18年の年末と正月あけの二度にわたる大きな低気圧で、網についていた海苔はどこかへ飛んでいってしまった。竹酢と米のとぎ汁を船に積み込み、海苔がチラホラしかついていない網の手入れ作業が続いた。「あきらめてはダメだ!」と親父が言う。「海苔の芽が本当に出るのかよ」オレは疑った。だが、親父は声を出すわけのない海苔と話しをしながら、モクモクと網の手入れをする。2月の初め頃、ゴマ粒のような海苔芽が網一面にびっしりついていた。「エッ!まさか?ウォー海苔だ!」驚きと感動。親父の海苔への思い。

そして、大自然への感謝の気持ちで、あふれ出る涙をおさえることが出来なかった。極上品ではないけれど、大自然の恵みとオレと親父の根性で作った海苔を味わってほしい。 和真